「Googleの設定を7月30日までに変えないと、スマホの写真がAI学習に使われる」。そんな説明がSNSや動画で広がっています。
結論から言うと、7月30日に発効する利用規約改定と、6月から段階的に始まった検索サービスの新しい履歴設定という、別々の話が混ざっています。期限がある前者は利用者の操作が不要。確認する価値がある後者には、7月30日という締切はありません。
- 7月30日は利用規約の発効日。同意ボタンを押したり、設定を変えたりする期限ではない
- 気になる人が確認するのは、検索サービス履歴の「メディアを保存」。いつ確認してもよく、7月30日締切ではない
- 対象はレンズ画像、音声検索の録音、検索サービスへアップロードしたファイルなど。Googleフォトに保存してあるだけの写真全部ではない
- 見直すなら、①メディアを保存をオフ ②保存済みメディアを確認・削除 ③自動削除期間を確認、の3点セット
話題の正体——実は2つの別の話
日付がある話と、設定を見直す話は別です。
| 話 | いつ | 何が起きる? | 利用者がすること |
|---|---|---|---|
| A:Google利用規約の改定 | 2026年7月30日発効 | AIを含むサービスの免責やバックグラウンド通信費などを明文化 | 継続利用するなら特別な操作は不要 |
| B:検索サービスの新設定 | 2026年6月から数か月かけて順次 | 履歴保存とパーソナライズを分け、「メディアを保存」を管理 | 気になる人はいつでも確認できる |
Google公式の規約アーカイブには、2026年7月30日発効の新版が掲載されています。一方、新しい検索設定について公式ヘルプは「今後数か月かけて段階的に適用」と説明しており、7月30日を設定期限とはしていません。
A:7月30日の利用規約改定——操作は必要ない
新版では、医療・法律・金融などの専門的助言としてサービスの回答だけに頼らないことや、端末を操作していない間も更新・安全性・サービス改善などのため通信する場合があり、その通信量や費用は利用者側の契約に依存することなどが明文化されています。
これは「7月30日からGoogleが突然有料になる」という案内ではありません。また、同意画面で新しい設定を選び直す締切でもありません。規約に同意できない場合は利用をやめる選択になりますが、継続利用者が7月30日までに設定操作をする必要はありません。
B:「メディアを保存」とは——写真全部ではない
対象は、Googleの検索サービスで自分が操作したメディアです。
公式ヘルプが挙げる例は次のとおりです。
- Googleレンズで検索した画像
- 音声検索、検索Live、Google翻訳の英会話練習などの録音・録画
- AIモードや検索サービスへアップロードした画像・ファイル
- 検索サービスで操作したその他の画像、音声、動画
反対に、検索サービスで操作していないスマホ内の写真や、Googleフォトに保存してあるだけの写真が、この設定によって一括保存・学習対象になるわけではありません。Googleフォトは公式が示す「検索サービス」の一覧に含まれておらず、この設定の対象は検索サービスでの操作に結び付いたメディアだからです。
また、AIで生成・変更したメディアや、クチコミへ投稿した写真など検索サービスで一般公開したメディアも、このサブ設定の対象外です。ただし、それぞれ別の規約や履歴設定で扱われる場合があります。
給与明細や身分証をレンズで撮った人は確認する価値がある
「スマホの写真全部」ではありませんが、だから無関係とも限りません。Googleレンズで給与明細、身分証、処方箋などを撮って検索したことがある場合、その画像は対象になり得ます。
保存されたメディアは、検索体験のパーソナライズだけでなく、GoogleのAIモデルや技術の開発・改善に使われる場合があります。Googleは学習前にアカウントから切り離すなどの保護策も説明していますが、機微な情報を検索へ使った心当たりがあれば履歴を確認するのが安全です。
「既定オン」は全員共通ではない
新しい設定には、従来の「ウェブとアプリのアクティビティ」と「検索のカスタマイズ」の状態が引き継がれます。従来設定がオンなら新設定もオン、オフならオフです。
そのため、報道で使われる「既定オン」は、従来設定がオンだった多くの利用者では結果として当てはまりますが、全アカウントが新たに強制オンになるという意味ではありません。自分の画面で状態を確かめるのが確実です。
正しい対処は3点セット
オフにするだけでは、過去に保存されたメディアは消えません。
2026年7月25日時点の公式UI文言に沿うと、確認手順は次の3段階です。
1.「メディアを保存」を確認する
- Google マイ アクティビティを開く
- 「検索サービス履歴」を選ぶ
- 「メディアを保存」のチェックボックスを確認する
- 今後の保存を望まない場合はオフにする
2.保存済みメディアを確認・削除する
- 「検索サービス履歴」で「保存した履歴の表示と削除」を選ぶ
- 画像、録音アイコン、アップロードを含む履歴を確認する
- 不要な履歴を選んで削除する
公式ヘルプは、設定をオフにしても過去のメディアは削除されず、削除するまで技術改善に使われる場合があると説明しています。なお、AI学習用にすでに選ばれ、アカウントから切り離されたデータは、元の履歴を削除しても最長4年間保持される場合があります。
3.自動削除期間を確認する
「検索サービス履歴」の自動削除設定で、履歴をどれくらい残すかを確認します。履歴を使った再検索やパーソナライズの利便性もあるため、期間は自分の使い方に合わせて選びましょう。
そもそもオフにすべき?判断材料は2つ
全員にオフを勧めるものではありません。履歴を残すと、以前のレンズ検索へ戻ったり、過去の検索に合わせた結果やおすすめを受けたりしやすくなります。反対に、保存を減らせばプライバシー面の不安は小さくなりますが、履歴に基づく機能の精度が下がる可能性があります。
- オフを検討しやすい人:レンズや音声検索で個人情報・仕事資料を扱うことがある/履歴による利便性より保存を減らしたい
- オンの利便がある人:過去の画像検索へ戻りたい/検索やおすすめのパーソナライズを活用したい
迷う場合は、まず保存済みメディアを確認してください。実際に何が入っているかを見てから決めれば、必要以上に怖がらずに済みます。
確定・報道・未確定を分ける
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 確定 | 規約は7月30日発効。新設定は順次展開で締切なし。対象メディア、AI改善への利用、オフ後も過去分は別途削除が必要 |
| 報道 | ITmedia、WIRED日本版、Gadget Gateなどが、新設定やAI学習への利用、設定確認の必要性を報道 |
| 未確定 | 個々のアカウントへの反映日、すでに学習用へ選ばれたメディアの有無、各利用者の保存内容 |
公式ヘルプと報道で表現が違う場合、本記事は公式の対象定義とUI文言を優先しています。
まとめ——急ぐより、対象を正しく見る
- 7月30日の利用規約改定は実在するが、設定変更の締切ではない
- 「メディアを保存」は検索サービスで操作した画像・音声・ファイルが対象
- Googleフォトに置いてある写真全部が対象になるわけではない
- 見直すなら、今後の保存停止・過去分の確認削除・自動削除期間の3点を確認する
- オン・オフは、パーソナライズの利便性と保存範囲のどちらを重視するかで決める
プライバシー設定は、怖い言葉で急かされたときほど「誰が、何を、いつから保存するのか」を分けて確認するのが大切です。Windowsの追跡識別子をめぐる別の誤解は、Windows 11のGDIDとVPNの関係で整理しています。
また、規約変更を装った偽メールや偽ログイン画面にも注意してください。メール内のリンクからではなく、Googleアカウントやマイ アクティビティを自分で開くのが安全です。ログイン情報の使い回し対策は、パスワード管理アプリの基本も参考になります。







