生成AI(入力に応じて文章などを作る仕組み)への質問が、日本で年間約635億回。返答を作るデータセンター(大量のコンピューターがある施設)の電力は約15.2GWh。こんな数字が公表されました。GWh(ギガワット時)は大きな電力量の単位、Wh(ワット時)は使った電気の量を示す単位です。ただし、全国のAIサービスを一つずつ測った結果ではありません。アンケートの回答を全国に広げ、Googleが測った1回0.24Whを掛けた試算です。数字の意味と限界を見ていきましょう。
- これは何? 生成AIが質問に答えるとき、遠くのコンピューターが計算し、電気を使います。
- 何があった? イーレックスが20〜69歳への調査から、文章の質問を年間約635億回、その電力を約15.2GWhと推計(一部の回答から全体を見積もること)しました。
- 誰に関係ある? AIを使い、電力や電気代が気になる人には参考になります。今すぐ契約を変えるべきかだけ知りたい人には、直接の変更はありません。
- 結局どうなの? どちらも計算から出した数字です。全国の実測総量や、家庭の電気代の値上げ額ではありません。
そもそも、AIと電力はどうつながる?
質問を送ると、データセンター(AIの計算を担う大量のコンピューターがある施設)で返答を作ります。スマホだけを見ていると気づきにくいものの、計算する機器や冷却などに電力が必要です。
関係がある人、あまり関係がない人
関係がある人は、AIを日常で使い、電力や環境への影響を知りたい人です。大きな数字の作り方を理解する助けになります。
あまり関係がない人は、今すぐ電力契約やAIの使い方を変えるべきかだけ気にしている人です。今回の調査で新しい料金や利用制限が始まったわけではありません。
約635億回はどう作られた?
電力会社のイーレックスは、2026年8月31日〜9月2日に、全国の20〜69歳の男女1万人へ生成AIの利用状況と文章の質問回数を聞きました。同社の発表では64.2%が現在利用中と回答しています。
同社は回答から1人あたりの質問回数を見積もり、同年代の人口に広げました。その結果が年間約635億回です。AIサービス側の通信記録を全国分集めた値ではありません。
約15.2GWhはどう計算した?
質問の推計回数に、1回あたりの電力量を掛けています。約635億回×0.24Wh=約15.2GWhです。GWhはWhの10億倍なので、桁の違いに注意してください。ここで使った0.24Whは、Geminiの文章質問の中央値(数値を小さい順に並べた中央の値)です。
0.24Whは、すべてのAIの値?
この値はGoogleがGemini Appsの文章質問について公表した中央値(数値を小さい順に並べた中央の値)です。2025年5月の利用状況を分析したもので、全サービスの平均ではありません。長い返答や別のAIサービスも同じ電力で動くとは限りません。
電気代は上がる?
AIの計算を担う施設が増えれば、電力を作り、届ける設備が課題になります。イーレックスの意識調査では、AI利用者の69.6%が今後の電力需要増に不安を感じると回答しました。ただし、これは不安についての回答で、値上げの予測ではありません。
すまラボまとめ
約635億回は調査から広げた質問回数、約15.2GWhはそこへGeminiの代表値を掛けた試算です。AIの便利さと電力の課題を考えるときは、回数の推計・1回分の計測・家庭の料金を分けて読みましょう。







